今、わたしたちが住んでいる「お家」を建てている人はどのような人でしょうか?
カンナやノコギリを持った「大工さん」と
テレビなどで「匠(たくみ)」と呼ばれる人がいて、家を建てている…
そんなイメージを持たれる方が多いかもしれません。
今日のわたしたちのまわりにある建物の多くは、それぞれを得意とする作業を専門的(せんもんてき)にするプロがいます。
お家を建てるのに専門知識(せんもんちしき)を持った「職人(しょくにん)」と呼ばれる人たちが働いています。
お家の土台を担当する人、お家の骨組みを担当する人、お家に電気を引き込む担当の人…
ここでは、専門的な職人(プロ)たちがそれぞれどのようなことをしているのかについて紹介をします。
建築士(けんちくし)
建物の形・構造(こうぞう)を考え、設計図(せっけいず)を作成します。お家を建てる場所の地域や土地の形を考え、住む人の希望に沿った建物を設計します。
マンションやビル、一軒家はもちろん、まちづくりなどの設計も行います。
地質調査業(ちしつちょうさぎょう)
お家を建てようとする土地で、目に見えない地下にある地下水や岩、土の硬さ(かたさ)などを調べます。
調査をして分かった事から分析をして、その土地がどのような土地なのかを調べる仕事です.。
建築士は、地質調査を役立ててお家の構造を決めます。
測量業(そくりょうぎょう)
お家を建てようとする土地の正確な広さ、位置を計測(けいそく)します。
また、地図を作るときや、道路・河川の社会情報などの測量(そくりょう)も重要な仕事です。
カーナビに使われている地図も彼らの地道な調査があってこそのものなのです。
建築工事業(けんちくこうじぎょう)
お家を建てるとき、スムーズに進むようにサポートをする人です。
設計図(せっけいず)をもとに、工事のはじめから終わりまでに必要となる人たちや資材(しざい)を手配したり、決められた日までにお家が出来上がるように調整をします。
建てているときに事故やトラブル起きないように、安全を第一に考えています。
とび工事業(とびこうじぎょう)
実際にお家が建ち始める前から必要となる準備(じゅんび)をしたりする人です。
周辺に工事で使うものが散乱(さんらん)しないようにする仮囲い(かりかこい)を置いたり、建物を外から建てるときに必要となる「足場(あしば)」と呼ばれるものを組みたてます。
各職人たちが効率(こうりつ)よく仕事に集中できるように準備から終わりまでサポートをします。
また、鉄骨で造られる建物の組みたても行います。
鉄筋工事業(てっきんこうじぎょう)
お家の土台となっているコンクリートの中には、鉄筋(てっきん)と呼ばれる骨組みとなるものが含まれています。
地震や災害が起きたとき、簡単に潰(つぶ)れない頑丈(がんじょう)な建物にするために重要な要素となります。
図面と同じようにいくつもの鉄筋を組み立てなければなりませんから、高い知識と経験がいります。
今日の建物の多くに「鉄筋コンクリート」が使われ、私たちの安全を守っています。
コンクリート圧送工事業(こんくりーとあっそうこうじぎょう)
コンクリート運搬車(うんぱんしゃ)によって運ばれたコンクリートを、コンクリートポンプ車を使って圧力(あつりょく)をかけて型枠(かたわく)内に打ち込(こ)む仕事です。
ポンプ車は高いところにコンクリートを流し込むことが出来ますから、高層化(こうそうか)が進むマンションやビルには欠かせない役割(やくわり)となっています。
型枠工事業(かたわくこうじぎょう)
コンクリートは柔(やわ)らかい状態(じょうたい)のものを決まった形に固めて使います。
コンクリートの形を決めるのに使われるのが「型枠(かたわく)」と呼ばれるものです。
「型枠」は図面からサイズを測(はか)り作られます。
お家ごとに違(ちが)う型枠を作らないといけません。
コンクリートは固まると取り返しがつきませんから責任重大(せきにんじゅうだい)です。
大工工事業(だいくこうじぎょう)
皆さんがイメージするカンナやノコギリで木材を切って、お家の骨組みとして組み立てる人です。
木材の長さや組み合わせ方、角度を考え組み立てていきます。
お家が傾(かたむ)いたりせず、台風などに強く頑丈(がんじょう)に建つことができるように作られています。
建設揚重業(けんせつようじゅうぎょう)
大きなクレーンを使って、重たい壁板(かべいた)や機械を吊り上げて決められた場所へ運びます。
人間のチカラだけでは時間や人数がかかりますが、クレーンで吊(つ)り上げるとすぐに終わります。
吊り上げる形状や重さ、場所などで吊り上げ方を変えなくてはいけません。
このような機械はクレーンだけでなく、大きさの大小を問わずに多く建設現場で使われています。
屋根工事業(やねこうじぎょう)
太陽の光や暑さ、雨などからお家を守るものとして屋根があります。
高所の場所で、瓦(かわら)などの材料を使って屋根を作る仕事です。
建物を彩(いろど)ったり、雨漏(あまも)りや台風に強く、簡単に壊(こわ)れないようにするために、長い歴史の中で培(つちか)われてきた技術、今日のハイテク技術(ぎじゅつ)などを組み合わせながら作られています。
屋根の形も様々あることから、お家に住む人の希望通りに作らなければなりませんから、ノウハウと高い技術が求められます。
防水工事業(ぼうすいこうじぎょう)
お家の屋根とベランダや外壁(がいへき:外にある壁のこと)、台所とトイレやお風呂などの水回りで水の対策(たいさく)をしています。
水が浸み込む(しみこむ)と家が傷(いた)む原因となります。
防水工事を行うことによって、雨などからお家の構造を守り、長く住み続けることのできるようにします。
内装仕上げ工事業(ないそうしあげこうじぎょう)
木やコンクリートで囲われた空間に「壁」「床」「天井」を貼り、私たちが安全に快適(かいてき)に過ごせるように部屋を彩る人です。
床がなければ室内は歩きにくいですし、壁や天井がなければ室内は寒く暑いでしょう。
リフォームと呼ばれる工事でも彼らは大活躍(だいかつやく)しています。
部屋で静かに快適に過ごすことが出来るのは彼らがいるからです。
電気工事業(でんきこうじぎょう)
電気に関わるすべてを工事する人です。
電気は人の命に関わるものですから、間違いがあってはいけません。
電気やインターネットが使えるように、お家に引き込み、各部屋に行き渡(わた)るようにします。
スイッチを押すと電気がついたり、インターネットが出来るのは彼らがいるからです。
電気や水道、ガスなどを「ライフライン」と呼び、私たちの生活に欠かせないものとなっています。
管工事業(かんこうじぎょう)
水道やガスなどをお家で使えるようにするには、パイプと呼ばれる配管(はいかん)を台所やトイレに引いてこなくてはいけません。
蛇口(じゃぐち)をまわすと綺麗(きれい)な水が出たり、お風呂やトイレで使った水がお家の外へと流れるようにしています。
それらは「ライフライン」と呼ばれ、私たちが生活する上で欠(か)かせないものとなっています。
配管は外から見えませんが、私たちが快適(かいてき)に過ごすことが出来るように見えない部分で活躍(かつやく)する仕事です。
外壁塗装工事業(がいへきとそうこうじぎょう)
お家が薄汚(うすよご)れていたりすると心地よいものではありません。
人間でいうところの肌である「外壁」を綺麗(きれい)にし保護(ほご)をする仕事です。
外壁が朽(く)ちたり、隙間(すきま)があると、お家の中に水が入ったりして腐(くさ)ってしまいます。
表面をデコボコなく、綺麗に保護をして保たなくてはなりません。
お家を外から保護し、維持(いじ)をさせる重要な仕事です。
左官工事業(さかんこうじぎょう)
お家を彩(いろど)るプロです。
コテと呼ばれる道具を使って1ミリ単位の精度(せいど)で仕上げます。
窓枠の隙間(すきま)や床、天井や壁を最後に整えるため、高い技術力が求められます。
寸分(すんぶん)の誤差(ごさ)がなく仕上げることが求められるため、長年の経験が必要です。
唯一無二(ゆいいつむに)の存在として頼(たよ)りにされます。
タイル・レンガ・ブロック工事業(たいる・れんが・ぶろっくこうじぎょう)
街を歩いていると見かけるタイルやレンガの装飾(そうしょく)や、お家の境目(さかいめ)にあるブロックなどを配置します。
決められた数のタイルやレンガ、ブロックをきれいに配置しなければなりません。
「足りなくなった」とならないように計算をしながら作業を進めます。
手で触(さわ)って簡単に外れたり壊れたりすることがないように、緻密(ちみつ)に計算して工事をします。
消防施設工事業(しょうぼうしせつこうじぎょう)
マンションやビルなどにあるスプリンクラーと呼ばれる消火設備(しょうかせつび)や、火災や地震の際に避難(ひなん)が出来るように火災報知機や避難設備を設置してメンテナンスをします。
何かが起きたときに早く避難が出来るようにしておかなければなりません。
多くの人がすぐ避難が出来るように必要となる機器や設備を取り付けて私たちの命を守っています。
造園工事業(ぞうえんこうじぎょう)
お家にある庭をつくる仕事です。
土を運び込んで整理をし、お花や木を植え庭を彩ります。
公園や道路の植樹(しょくじゅ)やメンテナンスも重要な仕事の1つです。
私たちが街で緑を感じながら過ごせるのは、彼らが管理をしているからです。