こんにちは。
そろそろ年末も近づき、来週からぐっと寒くなるようです。
今朝なんとなくつけた番組で、「ナッジ」という言葉が紹介されており、興味深かったのでご紹介します。
「ナッジ(=nudge)」とは
直訳すると「ひじで軽くつく」という意味であり、強制することなく自発的に人々の行動を変容させるアプローチを指す。アメリカの行動経済学者がノーベル賞を受賞した理論。
以前にも何度かテレビなどで紹介され、実際に起業等のマーケティング戦略などで利用されているためご存じの方も多いかもしれません。
今朝の番組では、コロナの感染拡大予防に関連させての紹介で、例えば「外食禁止!」ではなく、「持ち帰りや宅配もあるよ」という表現にする、など。
確かにこの言い方のほうが、このような状況下でも前向きになれますよね。
また、下記のようなことも紹介されていました。
<病院の入り口に’真実の口’>
2018年に、インフルエンザシーズン到来に合わせ‘真実の口’キャンペーンを実施。
病院1階ロビーに設置された“真実の口”の中に手を入れると、アルコール手指衛生剤が自動的に出て来る仕掛けになっており、思わず手を入れてみたくなる心理を利用したそう。
この理論の具体例で有名なものとしては次のようなものがあります。
<空港のトイレにハエ>
アムステルダムのスキポール空港の男子トイレでは、汚物で汚れた床の清掃費が高く困っていた。そこで小便器に1匹のハエを描いたところ、トイレの床を汚す人が少なくなり、結果 清掃費が8割減となった。
→これは言わずと知れた成功例ですね。
日本でこれに類似した成功例としては、次のようなものがあります。
・コンビニのトイレなどに「いつもトイレをきれいに使ってくださってありがとうございます」という張り紙をした。
「汚さないでください」や「きれいに使ってください」という張り紙よりも効果的だったそう。
・放置自転車に困っていたビルオーナーが、「ここは自転車捨て場です。ご自由にお持ち帰りください」と張り紙をハンドルの高さの位置に貼ったところ、ビル内への放置がなくなった。
もうひとつ。
忙しくて、つい自分のことは先送りにしがちな大人の方へのナッジ理論。
①健康診断を受けましょう。
②健康診断の受診日を選んでください。 (1)〇月〇日 (2)△月△日
上記のような2パターンの案内を受け取った場合、どちらの方が健診へ行く人の率が上がるでしょうか。
おそらく②ですよね。
必要であることは分かっていても、面倒なことはどうしても後回しにしたり避けたりしがちですが、②のような案内がくると受診しないという選択肢がないため、最初から日付の選択にまっすぐ向かえるということで、受診率の向上に効果的だということです。
コロナ問題も含めた地球レベルでの問題や、企業の戦略、自治体での取り組み、私たちの身近な困りごとなど、様々な分野で有効なこの理論。
この理論、単純に事例を読むのもおもしろいし、 いろいろ勉強して仕事やプライベートでも生かしてみたいと思いました。