先月、お隣中国の北京でオリンピックが開催され、先週にはパラリンピックが無事閉幕しました。
昨年の東京オリンピックに引き続き、国際的に様々な問題がある中での開催となり、改めて平和と健康のありがたさ、また、選手達の活躍から前向きな姿勢や努力の大切さなど、様々なことを考え、感じた大会でした。
主にスキー・スノーボードのフリースタイル競技、スキージャンプ、カーリングなどをチェックしていました。スキージャンプはもちろんフリースタイル競技もそうですが、相当な高度からの飛距離や、とんでもない高さの空中での体の回転難度を競う競技です。
彼らのやっていることのすごさ、異次元さ、未知数の練習量、体幹のすごさ、何より高さへの恐怖を克服する強靭なメンタルも鍛えないとなあ、など大変尊敬と関心をもって観ていました。
同時に、観ている間ずっと頭に浮かんでいたのは、「これ失敗したら大ケガどころか命が危ない
やん・・」ということでした。
こういったトップ選手達は必ずヘルメットを着用して練習・競技に取り組まれています。
競技によっては、体にプロテクターを着けて行うものもあります。そうすることでケガはもちろん命を守れる可能性がグッと高くなります。
では私たち一般のスキーヤー、スノーボーダーはどうでしょうか。
あくまで印象ですが、10~15年前と比較するとヘルメット着用者は増えてきていると感じます。
しかしほぼ全員が着用しているといっても過言ではないグローブやゴーグル、ニット帽と比較するとまだまだ着用率はまだまだ低いでしょう。
とあるプロスノーボーダーが林間コースを滑っているとき、木に衝突し膝をケガしたそうです。
それまではパーク(レールやボックス、キッカー、ハーフパイプなどが設置されているエリア)に入る時にはヘルメットを着用していたそうですが、“そうじゃない”、と気が付いたそう。
‘’もしあの太い木にぶつけたのが膝からではなく頭だったら…。膝の靭帯が切れて半月板を損傷して、それで済んだことに有難さを感じたくらい、身をもって怖さを知った‘’と語っています。
90年代はヘルメット着用に対する規則はなく、オリンピックですら当時のハーフパイプはヘルメットをしなかったそうです。
また、その中でスノーボード中に頭を打って二度とスノーボードが出来なくなった人や、日常生活が出来なくなった人、亡くなった方もいた、と。
「私は、パークには入らないし林間コースには行かないから大丈夫」。
逆に、
「自分は上手いし人が突っ込んで来ても避けられるから大丈夫」。
「ヘルメットなんてダサいし重いし首が苦しいからいやだな」
「1万円くらいはするし、高いしなあ。」
ヘルメット未着用者も様々な考えで未着用なのだと思います。
必ず命が守られるわけではない、しかし医療により「治してもらえるかもしれない」。
たった数万円。命の重さに比べたら・・・。
生身で乗る、スピードが出るバイクやロードバイク、運転が未熟な子供の自転車、また、なんといっても組合員さん方も含め工事現場などでお仕事をされる方の命も守るためにもヘルメットはとても大切なものです。
せっかくかぶっているのに、あご紐を留めていなかったり、緩めすぎていたり。
スクーター乗りの中には、あごにひっかけているだけで頭にかぶっていない人もちらほら見かけます。
古いヘルメットの使用もやめましょう。何度も転んだり打ち付けられたりしていたら機能も低下し、劣化もあります。
国内では基本的にヘルメットの保証期限は3年だそうで、それ以降は安全性が低下するそうです(もちろんかぶらないよりかぶった方がいいのですが、ただ固いものかぶっているから安全というわけではないですよね)。
冬季オリンピック競技を見たこと、また時を同じくして建築現場でヘルメットの着用方法が誤っていたために大怪我に繋がった方のお話を聞いたこともあって改めて安全について考えた次第です。皆さんもご自身の大切な命・会社の仲間・家族・友達のためにも、今一度安全について考えてみていただけるとうれしいです。